ギリシャ・ローマ神話物語
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ギリシャ・ローマ神話のあらすじ物語 | 神の名前・人物関係図・トロイア戦争・オデュッセウスの読む順番

系譜表をどれか開いてみると、ゼウスの上にクロノスがいて、クロノスの上にウラノスがいます。ところがこの三つの名前は、単に並べて書かれた順序ではなく、父の座を子が奪う出来事が二度繰り返された結果なのです。

しかも神々はこの系譜の中にとどまらず、トロイア戦争のど真ん中まで直接歩み入ります。そしてこのすべての物語をギリシャ名とローマ名の二通りで知っておく必要があるため、初めて読む人は名前の段階から足取りが重くなりがちです。この三つを出来事の順序で一つずつ確認していきましょう。

ウラノスからゼウスまで、父の座を子が奪った二つの出来事

ヘシオドスの『神統記』は、大地の女神ガイアが天空の神ウラノスを生み、その間からティタン神族が生まれるところから大きな流れを始めます。問題は、ウラノスがこの子どもたちを抑えつける父親だったという点でした。

子どもたちが抑圧されたことに怒ったガイアが反乱をそそのかし、その前に立ったのが息子クロノスでした。クロノスはこの反乱を率いて、父ウラノスの座に取って代わることに成功します。

ところがクロノスも父と同じ座に立つようになると、同じ恐怖に陥ります。自分の子どものうち誰かがいつか自分を押しのけるという予言を知っていた彼は、妻レアが産む子を生まれるそばから飲み込んでしまう道を選びました。

この選択の代償は末子ゼウスのもとに戻ってきます。レアがゼウスだけは密かに隠して生かしておき、そうして育ったゼウスは、クロノスに強制的に飲み込まれた兄弟たちを吐き出させたうえで、彼を押しのけます。父の抑圧から始まった出来事が、息子の恐怖を経て、今度はその息子が押しのけられる結果へとつながったわけです。

オリュンポス十二神は、こうして生き延びたゼウスの世代に属する神々です。神ごとにどのような役割と象徴を持つのか、家族関係が正確にどう絡み合っているのかは、オリュンポス十二神の関係図まとめで表で確認できます。

パリスを救ったアプロディーテ、神が人間の勝負に直接介入した瞬間

トロイア戦争中、両軍が見守るなか、パリスはヘレネの夫メネラオスと一対一の決闘で戦争を終わらせることにします。先に槍を投げたのはパリスでしたが、メネラオスの盾に防がれ、勝負はそのまま流れます。

続いてメネラオスが槍を投げると、パリスの盾と鎧を貫き、衣の裾まで引き裂きます。メネラオスはすぐに剣を抜いてパリスの兜を打ち下ろしますが、剣がかえって粉々に砕けて手から落ちてしまいます。すると彼は素手で兜をつかみ、アカイア陣営のほうへ引き寄せますが、兜の紐がパリスの首を締め始めます。決闘は事実上、パリスが引きずられて死ぬほうに傾いていました。

まさにその瞬間、アプロディーテが介入します。首を締めていた革紐を断ち切って兜だけをメネラオスの手に残し、パリスは濃い霧に包まれて自分の寝室へ運ばれてしまいます。勝負が完全に決まる直前、神が判定を変えてしまったのです。

アプロディーテはここで止まらず、老いた女の姿に変装してヘレネのもとを訪ね、パリスが待つ部屋へ行くように言います。ヘレネは最初、トロイアの女たちの間で指をさされるようなことだと断りますが、アプロディーテが正体を現して迫ると、恐怖に負けて結局黙って従います。決闘に負けたわけでもないのに勝負が覆ったこの場面は、その後パリスとヘレネが経験する物語の次の局面へとつながっていきます。パリスがなぜこの戦争の原因とされるのかはパリス神話のまとめで、アプロディーテがなぜことさらにこの二人の味方をするのかはアプロディーテ神話のまとめでさらに見ることができます。

求婚者たちの間で無力だったテレマコス、アテナが与えたきっかけ

トロイア戦争が終わって久しいのにオデュッセウスは戻らず、息子テレマコスは宮殿を占拠した求婚者たちの間で父を慕いながら、無力に座っている立場にありました。父が生きて戻るという確信もないまま、家が少しずつ減っていくのを見守るだけの状況でした。

そんなテレマコスのもとに、見知らぬ旅人メンテスに変装したアテナが訪れます。アテナは、明日アカイア人を集めて会議を開き、求婚者たちに退去するよう公式に通告するよう勧め、続いてピュロスへ行ってネストルに、スパルタへ行ってメネラオスに会い、父の消息を直接尋ねるように教えます。

その助言を聞いたテレマコスは、その場で翌日会議を招集すると宣言します。助言ひとつで態度が完全に変わったわけではありませんが、座って待つだけだった彼が初めて自ら次の行動を決めた瞬間でした。この決心が実際に父を探しに出発する旅へとつながっていく過程はテレマコス神話のまとめで、アテナがなぜことさらにオデュッセウス父子を気にかけるのかはアテナ神話のまとめで確認できます。

トロイア戦争からオデュッセウスの帰還まで、どんな順番で読むか

『イリアス』は10年近く続いたトロイア戦争のある時期を扱い、『オデュッセイア』はその戦争が終わったあとオデュッセウスが故郷へ帰る物語を扱います。どちらの作品もそれぞれ24巻から成ります。

出来事が起きた時間の順序で見れば、戦争を扱う『イリアス』を先に読み、戦後の帰還を扱う『オデュッセイア』を続けて読むのが流れに合っています。ただしこれは出来事が起きた時間の順序に基づくもので、二つの作品のどちらが先に作られたかはこれとは別の学術的な論争である点も、あわせて知っておくとよいでしょう。

『イリアス』が正確にどこから始まりどこで終わるのか、『オデュッセイア』と何が重なり何が違うのかを並べて比較したい場合は、イリアス・オデュッセイアの読む順番比較でさらに詳しく扱います。トロイア戦争そのものを別の媒体で先に触れたい場合は、映画『トロイ』の情報も参考になります。

ギリシャ名とローマ名が異なる理由

同じ神なのにゼウスともユピテルとも呼ばれるのを見ると、混乱しやすいものです。二つの名前体系が別々に存在するのは、ローマ人が自分たちの神をギリシャの神と一つずつ対応させて理解したためです。ゼウスはユピテル、アプロディーテはウェヌス、アテナはミネルウァ、ヘラはユノに対応するというのが、この対応関係の代表的な例として整理されています。

ただし、名前だけがそのまま変わった関係ではありません。ゼウスとユピテルのように同じ根源から出たと考えられる場合もあれば、ローマ側で新たに強調された性格が加わった場合もあり、名前が重なっても神の性格まで完全に一致するわけではない点は参考にしておいてください。九組を超える全体対応表と神ごとに異なる属性の違いは、ギリシャ神・ローマ神の名前対応表にまとめてあります。

次の物語へとつながる人物たち

ギリシャ・ローマ神話を扱った本をさらに幅広く比較したい場合はギリシャ・ローマ神話のおすすめ本比較で、原典の完訳と解説書のどちらから先に読むか迷っている場合はギリシャ・ローマ神話の読む順番で確認できます。

トロイア戦争の始まりから結末までの全体の流れを追いたい場合はトロイア戦争のあらすじまとめへ、オデュッセウスが故郷に戻るまでの全体のあらすじはオデュッセイアのあらすじ・結末まとめに続きます。