ギリシャ・ローマ神話のアプロディーテ|愛の女神ヴィーナス、パリスとヘレネの関係まとめ
エリスが黄金のリンゴを一つ神々の間に投げ入れたところから物語は始まります。ヘラ、アテナ、アプロディーテの三女神がこのリンゴをめぐって争い始め、誰も自ら引こうとはしませんでした。結局、この争いを裁く審判はトロイアの王子パリスに委ねられます。
黄金のリンゴ、三女神の争いとパリスに委ねられた審判
三女神はそれぞれパリスの前に立ち、自分を選ぶよう求めました。ヘラもアテナもそれぞれ別の条件を掲げて説得に動きましたが、その後の物語の流れを実際に変えたのは、アプロディーテが掲げた約束でした。
パリスは、一人の王子として三女神の誰の手も上げるわけにはいかない立場に置かれていました。この審判が単なる美の競争ではなく、その後に起こる出来事の出発点となるという事実は、この瞬間にはまだ明らかになっていませんでした。
パリスの選択、そして代償として結ばれたヘレネ
パリスは結局、アプロディーテにリンゴを渡します。その代償としてアプロディーテは、特別な女性を妻にする約束を彼に与え、この約束がその後ヘレネと絡む伝承へとつながっていきます。
イリアス第3巻、決闘の中でパリスを救い出す場面
この縁は、イリアスの本文の中で具体的な一場面として再び現れます。イリアス第3巻で、パリスはヘレネの夫メネラオスと決スと決闘を繰り広げている最中、兜の紐が首に絡んだまま相手に引きずられる危機に陥ります。
その瞬間、アプロディーテが介入します。彼女はパリスの兜の紐を断ち切ってメネラオスの手から彼を離れさせた後、暗い雲で彼を包み、戦場からすぐに彼の寝室へと運びます。その後、老いた侍女の姿に変身して城壁の上にいたヘレネのもとを訪れ、パリスが待つ部屋へと彼女を導きます。
黄金のリンゴの審判は後代の伝承で伝えられる物語であり、イリアス第3巻はホメロスの叙事詩の本文に実際に登場する場面です。この二つの場面を一つの原因と結果と断定するよりも、それぞれ異なる資料から伝わる別個の瞬間として区別しておくほうが正確です。
ローマのウェヌス、名は受け継がれても異なる伝承
アプロディーテは、ローマ神話のウェヌスに対応する名としてよく紹介されます。ただし、名が対応しているという事実は、二つの文化圏の儀礼や伝承までが完全に同じだという意味ではありません。
ギリシャでアプロディーテを祀っていたやり方と、ローマでウェヌスを祀っていたやり方、そしてそれぞれの文化圏で付け加えられた細部の物語は、それぞれ異なる道を歩んできました。名前だけで二柱の神をまったく同じ存在とみなすよりも、名は対応していても伝承はそれぞれ発展したという点を併せて覚えておくほうが正確です。
次の物語へとつながる人物たち
アプロディーテの選択を受けたトロイアの王子パリスがその後どのような出来事を経験するのかは、パリス神話で続きを見ることができます。彼女の約束とともに物語の中へ入ってきたヘレネの物語は、ヘレネ神話で確認できます。
黄金のリンゴの審判でともに競ったヘラの物語はヘラ神話で、アプロディーテとしばしば並べて言及される戦争の神アレスの物語はアレス神話で続きをたどることができます。