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トロイ 感想・評価レビュー | 原作比較の鑑賞ポイントまとめ

2004年の映画トロイ(Troy)は、見応えのあるスペクタクルという評価と、感情的な余韻に欠けるという評価が同時に付く作品です。Rotten Tomatoesの表示基準では、批評家スコアが53%、観客スコアが74%と示されています。この2つの数値が互いに異なる意味を持つ値であるという点を、まず先に確認して始めます。

タイトル / 原題トロイ / Troy
監督ヴォルフガング・ペーターゼン(Wolfgang Petersen)
脚本デヴィッド・ベニオフ(David Benioff)
主演ブラッド・ピット、エリック・バナ、オーランド・ブルーム
公開2004年・アメリカ映画
上映時間通常版 約163分 / ディレクターズ・カット版 約196分

批評スコアと観客スコア、それぞれが何を示すのか

批評家側のTomatometerは、226件のレビューを集計した53%と表示されています。このスコアに込められた評価の方向を見ると、映画をイリアスの弱体化版と見なした意見と、アクションシーンの強み・脚本の限界を併せて指摘した意見が共存しています。批評の総意も、映画を見応えのあるスペクタクルと評価しつつ、感情的な余韻が不足していると要約しています。

一方、観客側のPopcornmeterは、25万件を超える評価から出た74%です。同じ映画について、批評家側のスコアと観客側のスコアがこれほど開いているわけですが、両数値は集計母数からして異なるため、どちらか一方を絶対的な基準にするのは難しいのです。

ただし、これらのスコアは新たな評価やページの更新によって変動しうる値です。固定の評価として断定するよりも、ある一時点の表示値として理解していただく方が正確です。

版の選択、上映時間から変わります

トロイは版によって本編の長さ自体が異なります。ワーナー・ブラザースの公式資料には、通常DVDの本編約163分と、Director's Cut Blu-rayの本編約196分が別の版として表示されています。ディレクターズ・カット版は通常版よりはるかに長いため、どちらを選ぶかによって同じ映画でも鑑賞の密度が変わります。

初めて観るなら通常版でも物語を十分に追うことができ、より長いバージョンを望むならディレクターズ・カット版を選べばよいでしょう。版ごとの違いをより深く比較したい場合は、トロイ 版の比較で詳しく扱っています。

原作イリアスと比較しながら観る鑑賞ポイント

トロイはイリアスを題材にしていますが、叙事詩全体をそのまま映した映画ではありません。批評でも原作に比べた脚本の限界が言及されているだけに、原典の核心的な出来事を基準点としておくと、映画が何を削り何を強調したのかがはるかに明確になります。比較の基準として適した三つの出来事は以下の通りです。

イリアス原典の出来事該当する巻
アキレウスの怒りで始まり、アポロンがクリュセスの祈りの後にアカイア軍に疫病を下す場面第1巻
メネラオスとパリスの一騎打ち、ヘレネをめぐる戦争の場面第3巻
アキレウスとヘクトルの一騎打ち、ヘクトルの死第22巻

イリアスは第1巻でアキレウスの怒りから始まります。クリュセスの祈りを聞き入れたアポロンがギリシャ陣営に疫病を下す出来事が、原典の物語の出発点です。映画がこの発端をどこに置いているかを確認しておくと、脚本が原典の出発点をどのように移したのかが見えてきます。

第3巻には、戦争の発端となった人物たちが並んで登場します。ヘレネをめぐる戦争の構図の中で、メネラオスとパリスが一騎打ちを行う場面が原典に収められています。映画でパリスとヘレネ、メネラオスがどのような関係として描かれているかを、この原典の場面と並べて見ると、比較鑑賞の第一の軸が生まれます。

最も重要な対比のポイントは第22巻です。原典ではアキレウスとヘクトルの一騎打ちはヘクトルの死で終わりますが、この一騎打ちは映画でもアクションシーンの強みとして言及される部分です。原典の叙述と映画の演出を並べて見ると、同じ出来事を叙事詩とスクリーンがそれぞれ何を強調して描くのかがはっきりします。

ただし、この三つの出来事の対比は原作比較の一部の範囲です。映画全体の場面と結末がイリアスの本文とどこまで異なるのかはまだ確定した整理ではなく、木馬や帰還といったイリアスの外の物語が映画でどのように処理されたのかも、別途の確認が必要な部分です。原典の出来事そのものをさらに追いたい場合は、トロイ あらすじまとめに続きます。

鑑賞前に整理しておきたい三つのこと

第一に、スコアの性質を区別しておきましょう。批評の総意と個々の批評が示す方向、そして観客スコアが集計する母数の規模は互いに異なる情報であり、どちらが正しいかを決める問題ではなく、併せて読むべき値です。

第二に、版をあらかじめ決めておきましょう。約163分の通常版と約196分のディレクターズ・カット版のどちらを観るかによって、鑑賞時間と密度が変わります。

第三に、比較の基準を三つの出来事に絞っておきましょう。アキレウスの怒りと疫病、パリスの一騎打ち、ヘクトルの死だけを基準点にしても、それぞれの地点での脚色の方向が見えてきます。原典を直接読んでみようと考えるなら、イリアス 本の選び方の基準から確認するのが順序です。

よくある質問

Q. トロイの評価はどのソースを基準にしていますか?
A. Rotten Tomatoesのトロイページの表示値が基準です。批評家Tomatometer 53%(226件のレビュー)、観客Popcornmeter 74%(25万件以上の評価)であり、新たな評価やページの更新によって変動しうる値です。

Q. 映画はイリアスにどの程度沿っていますか?
A. 批評には、映画をイリアスの弱体化版と見なす評価が表示されています。原典の第1巻・第3巻・第22巻の核心的な出来事と対比すれば脚本の方向が見えてきますが、映画全体と原典全体の違いまでを、この三つの出来事の対比だけで確定することはできません。

Q. ヘクトルの場面はどのように比較すればよいですか?
A. イリアス第22巻のアキレウスとヘクトルの一騎打ち、そしてヘクトルの死をまず原文で確認したうえで、映画の該当場面を観ればよいでしょう。同じ出来事を原典の物語と映画のアクションがそれぞれどのように強調するかを比較することが核心です。