ギリシャ・ローマ神話 パンドラ | パンドラの箱の意味・由来・希望・プロメテウスの関係まとめ
よく「パンドラの箱」と呼ばれるこの物語は、実は箱ではなく壺から始まります。ヘシオドスの『労働と日々』に残る原文を、実際に伝わる順序のままにたどってみましょう。
神々がつくった女、パンドラ
『労働と日々』は、神々がパンドラをつくって人間の世界に送り出す場面から物語を始めます。原文は、彼女の出現を人間が受ける苦しみと直接結びつけて説明します。
パンドラが正確にどのような動機で、どのような過程を経てつくられたのかまで、原文が細かく説明しているわけではありません。ただ、彼女の出現そのものがその後に起こる出来事の出発点であるという点は、原文ではっきり確認できます。
壺の蓋が開かれる瞬間
パンドラには一つの壺が与えられていました。物語が向かう次の場面は、この壺の蓋が開かれる瞬間です。
パンドラが蓋を開けると、中にあったあらゆる災厄が一斉に人間の世界へ広がっていきます。原文はこの場面を、その後人間が受ける苦しみの源として描きます。
災厄が出ていった後、壺に残ったもの
災厄がすべて出ていった後も、壺の中には一つのものがそのまま残ります。それが希望です。
原文は、希望が壺の中にとどまっていたという事実そのものははっきりと伝えています。しかし、この事実をどう読むかは別の問題です。希望が外に出られず閉じ込められてしまったという意味にも、他の災厄がすべて出ていった後も人間のそばに最後まで残ったという意味にも読めます。原文自体は、そのどちらかに断定して説明してはいません。
「箱」ではなく「壺」だった
今日では、この物語をよく「パンドラの箱」という表現で呼びます。しかし原文で扱われている容器は箱ではなく壺、正確にはピトスと呼ばれる大きな貯蔵用の壺です。
そのため、この物語を原文のままたどるなら、「箱」と「壺」は同じ表現ではなく、互いに異なる二つの系統に分けて読む必要があります。今日広く使われる「箱」という表現が正確にいつ、どのような経路で定着したのかは、ヘシオドスの原文だけでは確認できません。その形成過程は原文の後に付け加えられた後世の物語であり、このページは原文で実際に確認できる範囲までを扱います。
次の物語へつながる人物たち
パンドラの物語とともにしばしば言及される人物はプロメテウスです。二人の人物が正確にどのように結びついているのかは、プロメテウス神話で確認できます。
この出来事を含め、ゼウスが人間の世界と関わる他の神話はゼウス神話で続きを見られます。パンドラの物語がギリシャ神話全体の中でどこに位置するのかはギリシャ神話の系譜で、こうした物語が伝わるより広い古代の背景はオデュッセイアを読む前の背景知識で見ることができます。